I.W.HARPER

MASATOSHI OHNO

MASATOSHI OHNO

満タンな人同士が出会ったときには、
きっといいものが生まれる
I'm harper 自己満足に生きる
MASATOSHI OHNO

I'M HARPER. 〜自己満足に、生きる。〜
presented by I.W.HARPER

信じたものに、繰り返し情熱を注ぐ。その姿は輝きを放ち、決して自分のスタイルを失わない。そんな人物を紹介する「I’M HARPER」。第5回目は世界にその名を知られるプロサーファー、“Mar(マー)”こと大野修聖さんが登場。自身が人生をかけて追求するサーフィンの魅力について話してくれた。

***

「自分のやりたいことにわがままに生きて、自分を満タンにしておくことは大切だと思います」

昨年、マーさんはオリンピック選手委員会の委員を務め、日本代表キャプテンとして「波乗りジャパン」を支えてメダル獲得に貢献しました。具体的にどのようにそれぞれの役割を務めたのですか?

オリンピックが始まるまでに、選手委員会のミーティングがオンラインで数回ありました。そこでの僕の役割は、選手たちが思っていることを運営の方々に伝えることです。大会のフォーマットなども含めて、アジアの代表として選手の気持ちや考えを意見しました。

オリンピックほどの規模になると、運営側はサーファーではない人のほうが多い。そこでマーさんの長年にわたる世界での選手経験が必要とされたんですね。キャプテンとしてはどのようなことをされていたのでしょうか?

選手と、コーチや役員との間を現場で取り持つ役割です。自分も現役でやっているので、選手の気持ちを理解できる。そこで、おもに選手側の目線から『もっとこうした方がやりやすいんじゃないか』という提案をしていました。そして役員側からも選手に相談したいことがあれば、間に入るといった仕事ですね。

世界のトッププロサーファーたちの姿、戦い方を日本で目の当たりにしました。トップのひと握りにいるプロたちは、どんなところが特別でしたか?

とにかく練習してました。ガブリエル・メディナ、イタロ・フェレイラ、五十嵐カノア。この3人は誰よりもずっと海にいる。そして、波が大きかろうが小さかろうがずっとサーフィンをしていましたね。

やはり人一倍練習をしていたんですね。

はい。でも試合向けて単純にストイックなのではなく、『サーフィンが大好きなんだろうな。彼らには本当にそれしかないんだろうな』と感じる。練習はあくまでもその気持ちの延長線上にあり、サーフィンが大好きだからこそ追求している。サーフィンが上手くなるためにはどうしたらいいかということを、24時間365日考えているのがあの人たちなんだなと思いましたね。

MASATOSHI OHNO

では、マーさんにとって競技サーフィンの魅力ってなんでしょう?

サーフィンに限らないかもしれないですが、競技ということで話すと、たとえば優勝するために残り3秒でスコアが必要になったとき、最終的に自分と向き合うことにたどり着くんです。ファンサーフィンはファンサーフィンの楽しさや気持ちよさが十分にある。でも「なんでコンペティションに出るんだろうな?」と自分に問うと、自分が追い詰められたときにしか見えない自分と向き合えることがおもしろい。

そしてときには残り3秒で波が来て、奇跡が起きる。

でも優勝の喜びは一瞬なんですよね。試合終了のブザーがなったときの興奮の次の瞬間にはもう頂点は終わってるわけで。嬉しいし、すごく興奮するんだけれども、とても儚い。だからこそ、じつは大切に思えるのは過程なんだと気づきました。

優勝したあとはどんな気持ちになりますか?

人間だから欲があるし、もちろん次の優勝を求めていく。だけど、そこがゴールじゃないというか……。そう考えると、毎日の生活というプロセス、今ここが大事なんだなと最近とくに感じます。優勝はエクスタシーじゃないですか。でもその興奮はずっと続かない。欲だからずっと欲しがるもので、長い間それを求めてやっていたんだけれども、本当に意識すべきはそこじゃない。

では、あらためて最近はどのような気持ちでサーフィンをしていますか?

やっぱりサーフィンが上手くなりたい。僕が開催する「FunTheMental」というイベントでやっているようにいろんなサーフボードに乗って、いろんな波の乗り方を感じています。そうすることで、コンペティションに戻ったときにすごくフレッシュなラインが見えたりする。これまでずっとサーフィンをしてきたけれど、今がいちばん楽しいです。

MASATOSHI OHNO

マーさんが思う、サーフィンのいちばんの魅力は?

シンプルさ。自分と大自然だけじゃないですか。だけど、ともに変化をしつづけるから、終わりがないし、パーフェクトがない。だからおもしろい。言葉にすればいろいろ出てきますよね。『自然の中で無になれる』とかいろいろ言いようはあるけれど、つまりは究極のシンプリシティ。計算式があるわけでもないし、それをやって得することがあるわけでもなんでもない。そういった何もかもを取っ払われて、ただ波に乗る……。

サーフィンが上手くなるために意識していることはなんでしょうか?

波や海、自然とのシンクロニシティ。波とのハーネスやフロー……。波の言っていることを聞いて、それを反映させるサーフィンを求めています。そのうえで、コンペティションの勝敗が結果としてある。それでいいかなと思っています。そのようにして、サーフィンを一生追求していきたいですね。

人生のモットーを教えてください。

「Surf the life」。人生をサーフする。

MASATOSHI OHNO

マーさんのサーフィン一筋の生き方は、まさにI.W.HARPERが掲げる「自己満足に、生きる。」という言葉とぴったり重なりますね。このフレーズについて、どんなことを思いますか?

みんな自己満足に生きていいと思う。「自己満足」って言葉はわがままに聞こえるかもしれない。でも自分が一杯一杯だったら、たとえば人が困っていても手を差し伸べられない。だからネガティヴに捉えるのではなく、自分のやりたいことにわがままに生きて、自分を満タンにしておくことは大切だと思います。満タンな人同士が出会ったときには、きっといいものが生まれるでしょうし。

そう考えると、自己満足に生きることは必要とも言えますね。

勝手な考えかもしれないですけど、自分を大切にできていれば、満足感がいい波動になっているはず。たとえ言葉を発していなくても、そこにいる人がフルでいたら、発してるバイブレーションでわかるじゃないですか。人間って動物だから。

ところでお酒は好きですか?

好きですよ。友だちと飲むお酒は楽しいし、たまに家で静かに飲むのもいい時間です。海でいいセッションをしたら飲みたくなります。

MASATOSHI OHNO

どんなお酒をよく飲みますか?

家で飲むんだったら缶ビールくらい。ウイスキーを本当においしいと思って、味わって飲めるような大人になれたらいいですよね。外で飲むとき、お酒を知っている人が出してくれるお酒はやっぱりおいしいと感じます。

最後に、ハーパージュレップを飲んだ感想をお聞かせください。

さっぱりしたウイスキーベースのカクテルですね。飲みやすくて、僕にはいいです。

MASATOSHI OHNO

photo◎Junji Kumano
text◎Jun Takahashi